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冥王モルゴス
モルゴス(Morgoth)は、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』の登場人物。 エル・イルーヴァタールによって作られたヴァラールの一人で、神々の王マンウェとは兄弟の関係にあった。彼の本来の名前はメルコール(Melkor)であった。メルコールはヴァラール、ひいては全アイヌアの中でも最大の力を持つ存在であり、力と知識において最も優れた資質を与えられていた上、他のヴァラールの資質をも幾らかずつ併せ持っていた。だがこの力を悪しき方向に使い、マンウェの王国(アルダ)を力で奪い取る事に費やし、アルダに回復不能な傷を負わせた。この反逆を持ってメルコールという名は奪い去られ、彼は最早ヴァラールの一員としては数えられない。 マイアールの中には彼の力に畏怖し、仕える者も現れた。彼はアルダの内と云わず外と云わず多くのマイアールを堕落させた。その中でも強大なものがサウロンであり、それよりも卑小なもの達がバルログであった[1]。 彼は『シルマリルの物語』における邪悪な者たちの首魁であり、尚且つ『ホビットの冒険』や、『指輪物語』にまでおけるアルダの諸悪の根源でもある。 彼の本来の名前であるメルコールは、クウェンヤで「力にて立つ者」(He Who Arises In Might)の意である。このメルコールをシンダール語で表したものがベレグーア(Belegur)になるが、シンダールにとって初めて会った時から敵であった彼に、この名前が用いられることは一度もなかった。故に彼らはベレグーアを捩ってベレグアス(Belegurth)と呼んだ。これは「大いなる死」(Great Death)を意味する。メルコールの名が使われなくなった後は、モルゴスと呼ばれるようになったが、これはシンダール語で「黒き敵」(Black Foe)もしくは「暗黒の敵」(Dark Enemy)を意味する。この他にシンダール語で「圧制者」(the Constrainer)の意味を持つバウグリア(Bauglir)の名で呼ばれることもある。 なおモルゴスと名付けたフェアノールがシンダール語を知っている筈がない(シンダール・エルフと交流がない)ので、本来はクウェンヤで「黒き敵」と呼んだ筈である。原作者のトールキンは、モルゴスのクウェンヤ形について幾つかの案を出しており、モリンゴット(Moringotto, Moringotho)[2]、またはモリコット(Morikotto)になるだろうと記している[3]。しかし明確にどれが正解かは述べていない。 彼の最も代表的な肩書(タイトル)は「冥王」(Dark Lord)である。「ダークロード」という単語が世に初めて用いられたのは『指輪物語』のサウロンだったが、本来はモルゴスこそが初代の「冥王」に当たる。アイヌアとしては極寒と灼熱を生じさせた者だったが、アルダに害を加える上で最もよく用いたのが暗闇であった。本来は暗闇は生者にとって恐れる必要のないものであったが、暗闇を全ての生ある者にとって甚だしい恐怖に満ちたものへと変えてしまった。故に彼は「冥王」と呼ばれるようになったのである。この他にエルフ達からは「大敵」(Great Enemy)や「暗黒の王」(Lord of the Darkness)などと呼ばれた。 彼自身が称したものとしては「世界の王」(King of the World)や、人間の英雄フーリンに対して名乗った「アルダの運命の主」(Master of the fates of Arda)、「長上王」(Elder King)がある。しかし「長上王」はマンウェの肩書であり、モルゴスの詐称に過ぎない。 『シルマリルの物語』には出てこないが、『中つ国の歴史 彼の力は全アイヌア中、最強と言ってよいものであった。原作者のトールキンは、メルコールの元来の性質はより遥かに強大なものとして造られたと、後の"フィンロドとアンドレスの草稿にて書いている。彼はエル・イルーヴァタールを除けば最大の力を持つ者であり、他のヴァラールが皆一丸となって挑んでも、彼を制御することも縛鎖につける事も不可能であった[4]。全盛期のメルコールはただ睨みつけるだけで、マンウェの気力を挫くことすら可能だったという[5]。 しかしここで重要な事がある。彼の力は確かに膨大なものではあったが、エルとは異なり所詮は有限のものに過ぎないという点である。彼は無分別に力を空しく浪費したり、他者を堕落させたり配下に力を分け与えたり、邪悪な生き物を創ることなどによって、少しずつその力を減じていったのである。
概要
名前
肩書
能力
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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